2005年 03月 11日
移民の国、アメリカ その1 |
私の住む町には、英語を母国語としない人が多く住んでいる。ラテン系、中でもエルサルバドル人が多い。スペイン語の看板があちこちで目に付く。同じラテン系でもドミニカ人はまた違う町に住み、プエルトリコ人街もあるらしいが、私にはさっぱり見分けがつかない。ハイチ人も多いので、近所のドラッグストアや、シティバンクの支店ですらフランス語が通じる。(ハイチ人同士では地元の言葉、クレオールを使っているが。)
夕べ面白い場面に遭遇した。コーヒーを切らしていることを思い出し、閉店1分前に自宅そばのスーパーに駆け込むと、大きなショッピングカート2つ分の買い物をしているハイチ人らしき女性が、レジで何やらもめていた。店員は全員スペイン語圏出身、ハイチ人女性はスペイン語はおろか英語もおぼつかなく、両者の間にコミュニケーションが成立していない。
カート2つ分の総額は56ドルなのに女性客の所持金は20ドル札2枚だけ。ということで、差額16ドル分を返品中だった。レジ係店員1号(女)が、既に打ち上げたレシートを見ながら金額の高い品物名から順に読み上げ、店員2号(男)が、既に手さげ袋で埋まった女性客のカート2台から、読み上げられた品物を探し出し、一品ずつ1号に手渡してはスキャンして総計を減らしていく、という、気の遠くなりそうな作業を繰り返している。2号が何か持ち上げる度に、ハイチ人は "No!!!" と叫びながらその品物をひったくって抱え込む。それらの鶏肉やら、卵やら、アルミ箔やら、インスタント・ラーメンやらはどうしても必要、ということらしい。牛乳は2パックあるから、1パック返してもいいでしょう?と2号が手を伸ばすが、わかっているのかいないのか、女性は首を横に振り、2パックとも握り締めて離さない。既に閉店時間を過ぎており、他のレジは全て閉めてしまったので、他の買い物客が列を作って待っていることなど全くお構いなし。
そんな調子で10分以上かかってようやく39ドルまで返品を済ませ、数十セントのお釣りを手渡されたハイチ人が、今度は片言の英語で何やらわめきだした。どうやら、この大荷物を乗せて帰るタクシー代として5ドルの現金が必要らしい。じゃあ更に5ドル分返品してください、と店員1号が言った途端女性は怒鳴りだした。どうしてこれしか買ってないのに40ドルもするのか(といってもカート2つぎっしり)、既に16ドル分返品したのに更に5ドルとは何事か。ここで、それまで辛抱強く順番待ちしていた他のお客さんが怒りだす。私の買い物はコーヒー2缶だけ、私の前の男性は、やはり翌日の朝食用らしいコーンフレークとフルーツジュース、それにコカコーラの巨大ペットボトルを2本抱えている。後ろの女性は野菜類を少々。僕たちの会計を先に済ませてくれ、1分で終わるから、と私の前の男性が叫ぶ。2号(どうやら店長らしい)が、それはできないという。店員がラテン系なら顧客もラテン系、帰り支度を済ませて成り行きを見守っていた他の店員も口を出し始め、店内はスペイン語の大合戦。女性客は物凄い形相でそのやりとりを眺めている。
・・・その2に続く。
夕べ面白い場面に遭遇した。コーヒーを切らしていることを思い出し、閉店1分前に自宅そばのスーパーに駆け込むと、大きなショッピングカート2つ分の買い物をしているハイチ人らしき女性が、レジで何やらもめていた。店員は全員スペイン語圏出身、ハイチ人女性はスペイン語はおろか英語もおぼつかなく、両者の間にコミュニケーションが成立していない。
カート2つ分の総額は56ドルなのに女性客の所持金は20ドル札2枚だけ。ということで、差額16ドル分を返品中だった。レジ係店員1号(女)が、既に打ち上げたレシートを見ながら金額の高い品物名から順に読み上げ、店員2号(男)が、既に手さげ袋で埋まった女性客のカート2台から、読み上げられた品物を探し出し、一品ずつ1号に手渡してはスキャンして総計を減らしていく、という、気の遠くなりそうな作業を繰り返している。2号が何か持ち上げる度に、ハイチ人は "No!!!" と叫びながらその品物をひったくって抱え込む。それらの鶏肉やら、卵やら、アルミ箔やら、インスタント・ラーメンやらはどうしても必要、ということらしい。牛乳は2パックあるから、1パック返してもいいでしょう?と2号が手を伸ばすが、わかっているのかいないのか、女性は首を横に振り、2パックとも握り締めて離さない。既に閉店時間を過ぎており、他のレジは全て閉めてしまったので、他の買い物客が列を作って待っていることなど全くお構いなし。
そんな調子で10分以上かかってようやく39ドルまで返品を済ませ、数十セントのお釣りを手渡されたハイチ人が、今度は片言の英語で何やらわめきだした。どうやら、この大荷物を乗せて帰るタクシー代として5ドルの現金が必要らしい。じゃあ更に5ドル分返品してください、と店員1号が言った途端女性は怒鳴りだした。どうしてこれしか買ってないのに40ドルもするのか(といってもカート2つぎっしり)、既に16ドル分返品したのに更に5ドルとは何事か。ここで、それまで辛抱強く順番待ちしていた他のお客さんが怒りだす。私の買い物はコーヒー2缶だけ、私の前の男性は、やはり翌日の朝食用らしいコーンフレークとフルーツジュース、それにコカコーラの巨大ペットボトルを2本抱えている。後ろの女性は野菜類を少々。僕たちの会計を先に済ませてくれ、1分で終わるから、と私の前の男性が叫ぶ。2号(どうやら店長らしい)が、それはできないという。店員がラテン系なら顧客もラテン系、帰り支度を済ませて成り行きを見守っていた他の店員も口を出し始め、店内はスペイン語の大合戦。女性客は物凄い形相でそのやりとりを眺めている。
・・・その2に続く。
by mistymont
| 2005-03-11 22:40
| ロングアイランド